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人間の咀嚼様式
人間の咀嚼様式
人の咀嚼様式は、(草食系の)横噛み型grinder typeと、(肉食系の)縦噛み型 chopper type、その中間的なタイプに分かれます。これは、前述した民族差と言うよりも、個体差の要素が強いようです。
従来、ある程度まで生きたと思われる人骨は、前歯を含めて全ての歯が協調して機能するようになっており(バランス咬合)、どちらかといえば横噛み型grinder typeに近い歯の形をしています。これは、世界共通で、本来人間はバランス咬合だったと思われます。
食物の変化は、わずか一代で歯並びの変化、咀嚼様式の変化として発現します。すなわち、食べ物が軟らかくなって、発育期に十分咀嚼しないと、顎の骨の劣成長が起こり、歯並び不良となり、咀嚼様式は縦噛み傾向になります。
先進国では、食物の軟化に伴って歯並びの悪化が起こると同時に、縦噛み型が増加してきましたが、日本でも、戦後同様なことが起こりました。
食生活の変化は、遺伝的変化以上に急激に体に表現されます。ところが、体の内部、たとえば消化酵素は、遺伝的に変化するのに3世代以上かかるとされていますから、その落差が、癌やアレルギーなどの病気となって現われているのではないでしょうか?
本来横噛みの日本人は、軟食や肉食で、あまり噛まなくて済むようになり、唾液を十分機能させられなくなったため、癌などの慢性疾患が増加してきたとも考えられるのです。
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