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人間の進化と歯
人間の進化と歯
人類学や考古学研究において、発掘された骨の、特に歯の形態から、いろいろなことが類推されます。動物にとって、歯の形態は、その生態や食べ物に密接に関係するからです。
たとえば、肉食動物の歯は、鋭く尖った牙など、獲物を捕らえる道具として発達し、咀嚼には向いていません。動物の肉などは、2〜3度噛んで飲み込むだけで、十分消化できるからです。
一方、草食動物では、植物の硬い細胞膜を破壊し消化するために、しっかり噛みつぶす必要があります。何度も噛んですりつぶすように、奥歯の噛み合わせ面は臼のように平らになり、犬歯は退化しています。
人間の歯は、雑食動物として、肉食と草食の中間的な特徴を持っています。発掘された骨から類推すると、人種によって若干異なる特徴があり、食べ物の変化と小進化が見て取れます。

動物は、その食べ物に合わせて進化してきましたが、人間にも同様のことが起こったことが分かっています。
人類が発生したと考えられているアフリカ大陸中部から遠く離れたアジアの島国に住む日本人は、アフリカやヨーロッパを起源とする黒人や白人とは若干違っています。
欧米人に比べ、日本人は、胴が長く手足が短いという体型的な特徴がありますが、腸の長さも1m近く長いから(食べ物が草食系に近いせい)だ、という解釈もされています。
いわば、狩猟民族で肉食に近い欧米人と、農耕民族で草食系の日本人という違いです。
歯並びや咀嚼系にも、こういった傾向が見て取れます。
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